魚種別攻略講座

魚種別攻略講座

秋の風物詩ハゼと遊ぼ!

釣りファミリーにはいち押し
秋風が心地よく頬をなでる頃になると、全国あちこちの川尻でハゼ釣りを楽しむ家族の姿が見られます。簡単な釣りですから初心者や子供でも楽しめますし、ベテランにも奥の深い面白い釣りです。なにより淡泊で美味しい魚ですから、年期の入ったおじさんも竿をかかえてやってきます。笑魚もこのハゼ釣りが大好きで、毎年馴染みのポイントへ通っています。あぁ〜はやく天ぷらが食べたい…。

ファミリーフィッシング

ハゼの仲間は各地に2百種ほどもいるとされていますが、われわれ釣り師を楽しませてくれているのは、和名でいうところのマハゼです。マハゼは北海道南部以南から全国各地の内湾や河口、砂や泥が広がる汽水湖の湖底に生息しています。海水と淡水が混じる汽水に生息する代表的な魚です。幼魚時にはプランクトンを食べ、成長するとゴカイなどの底生生物、小魚をエサにします。産卵は冬とされており、6月下旬頃には新子が5〜6cm(デキハゼ)に成長、浅場や汽水域に群れをなしてのっこんできます。8月頃からはのっこみが本格化し、川を昇ってきます。

寿命は大体1〜2年とされていますが、稀に長生きするものもいるようです。年を越したものは大きく成長しヒネとかケタハゼと呼ばれ、春の一時期に釣れることがあります。以前冬に投げ釣りをしたときに、この「ケタハゼ」のアタリが連発、特大サイズに大喜びしたことがあります。彼岸の頃に釣れる「彼岸ハゼ」が一番皆さんにはお馴染みでしょう。型がよくなり数も出ます。水温が低下し始める11月頃、越冬のために深海に移動する「秋の落ちハゼ」は魚体も卵巣も大きく絶品です。大体13〜20cmぐらいが成魚ですが、25cm以上に育つものもいます。

姿に似合わず美味しい魚です。手軽な天ぷら、空揚げがポピュラーですが、釣れすぎたら保存のきく甘露煮がいいでしょう。冬のケタハゼなら刺し身が絶品です。変わったところで昆布巻きというのもあります。内蔵にカルシウム、ビタミンAを豊富に有しています。日本中いたる所にいますが、魚屋さんでは滅多にお目に掛かれない魚です〜食べたいなら釣るしかありません!またイトヒキハゼ、ニシキハゼなどが混じって釣れることがありますが、普通は食べませんからリリースね。

好みで仕掛けをかえてもいい

簡単なようだが、実は腕の差が出る釣り
ハゼは数を釣る釣りです。初心者が適当にやってもそれなりに釣れます。しかしある程度数を釣ろうと思えば、手返しをよくし、かつ鈎を呑み込まれないような釣りを心がける必要があります。笑魚も毎年挑戦していますが、長年釣り込んだ地元の爺さん連中相手になかなか勝てるものではありませんハハハ…。ここでは、仕掛けの選択とちょっとしたコツを伝授しましょう。

仕掛アラカルト

ミャク釣り(ノベ竿)

浅く緩やかにかけ上がっているような釣り場向きです。リールを使わないノベ竿(渓流竿)の方がアタリがよく取れ面白いものです。リール竿でもやれます。竿は3.9〜5.4m程度の渓流竿を使います。なければヘラ/メバル竿でもいいでしょう。ハリスは0.6号で充分です。仕掛けは竿の全長に合わせます。

HINT
鈎は金袖を使いましょう。するどくよく掛かります。デキハゼや小さいハゼ狙いなら4〜5号、落ちの大型狙いの時は6〜7号と少し大きくするのがコツです。根掛かりなどで折れることがありますので、余分に用意しておいて下さい。


チョイ投げ釣り

ノベ竿は足下を釣りますが、沖をくまなく探りたいときはリールの出番です。初心者にお勧め。柔らかめの磯竿1号4.5m程度を用意して下さい。一日中竿を持って釣る釣りですので、長くて重い竿だと疲れます。

HINT
竿に余りこだわる必要はありません。コンパクトロッドやバスロッドなど、持ち重りしない竿ならば充分使えます。ただし竿が固いため、バスのように強いアワセを入れると、一発で細いハリスが切れます。アワセは竿を立てるだけで充分です。


投げ釣り

冬場の落ちのハゼを狙う場合は、沖の深みを狙いますから投げ釣り仕掛けの出番です。5〜10号程度のオモリの乗る固めの磯竿か、ごく柔らかめの投げ竿(普通の投げ竿は固すぎてダメ)を用意して下さい。遠投をする場合は力糸が必要です。アタリの出やすい細い道糸を使って下さい。

HINT
よく皆さんが使うジェット天秤などはハゼ釣りにはむきません。船用の小型片天秤を使って下さい。図のような中通し式のパイプ天秤でもかまいません。釣具店の船釣りコーナーに置いてあります。


ウキ釣り

ウキファンのための仕掛けです。中層を流すウキ釣りではなく、エサを底に着ける釣り方をしますので、ちょっと変則的なシモリウキ仕掛けです。ノベ竿か、軟調の磯竿を用意します。道糸はできるだけ細くすると感度が上がります。辛子ウキは大きめのシモリウキでも代用できます。鈎から辛子ウキまでの長さは、水深×1.5倍程度取ります。現地で調整して下さい。

HINT
シモリウキは目印と考えて下さい。浮力の強いものはダメですから、小さなサイズを選んで下さい。

ハゼ釣りエッセンス

釣り場と仕掛け選び…
ハゼは汽水域で生息する魚ですから、防波堤というよりは、河口近くや潮のはいる運河などの岸壁の釣りが中心です。岩礁や砂地より、砂泥地を好みますから釣れるところは決まってきます。毎年みんなが集まる実績地へ行きましょう。底が浚渫され水深がある程度あるような岸壁なら、チョイ投げ仕掛けがいいと思います。ハゼが溜まるようなミオ筋を狙えます。

沖まで浅くかけ上がりのある釣り場なら、ミャク釣りが面白いでしょう。手返しがよく数釣りができます。こういう釣り場には、ノベ竿片手にエサ箱を首からぶら下げ、ウェイダーを履いて立ち込む渓流スタイルのベテランもいます。ウキ釣りの好きな人なら、ぜひシモリ仕掛けにチャレンジして下さい。ツツツと引き込む目印アタリは、見慣れた普段のウキアタリと違って新鮮です。この釣りに馴れると、ミャク釣りに負けないだけの釣果を充分出すことも可能です。

時合いとポイント…
大体潮さえ動いていれば喰ってきますが、上げ潮の方が期待できます。というのはハゼは、上げ潮の乗って岸にどんどん寄って来るからです。ですからポイントが近くなり釣りやすくなります。潮が下げるとポイントも遠のくというわけです。急に深場に落ちるというわけではなく、同じような水深で釣れますから、ノベ竿の人なら移動したらいいでしょう。

ポイントは少しでも変化のあるところと考えて下さい。周囲より少し掘れているところや、捨て石、杭、藻の陰、橋脚などです。よく観察してみましょう。水深のあるところならば岸壁の際も狙い目です。ハゼが溜まっているポイントにありつけると、面白いように釣れますよ。

エサ…
どこでも入手できるイシゴカイでいいでしょう。まだ暑い時期の釣りはエサが痛みますから、エサ箱を余分に持っていって、クーラーから小分けして使うようにして下さい。一部の地域では、「水ゴカイ」と呼ばれる特効エサが珍重されているようですが、私はまだお目にかかったことがありません。売っていたら試して下さい。とても食いのいいエサらしいのです。

エサは2,3等分に切って使います。頭は5mm程度取った方が喰いがいいでしょう。小さいデキハゼを狙うのでしたら、タラシを1cm程度と短くしましょう。長くすると喰いはいいのですが、エサも取られやすくなるのです。彼岸ハゼなら2cm、大きくなる落ち狙いなら、3cm程度とタラシを長くします。

釣果を上げる秘訣は?

ミャク釣りのコツがわかりません…
  1. ハゼはエサやオモリが底を離れると喰いがグンと落ちます。そこでコヅキ釣りのテクニックを使います。穂先でオモリを少し持ち上げてからパタンパタンと倒れるように操作します。オモリを海底から離してはいけません。微妙な動きです。
  2. これの繰り返しが誘いになります。2、3回やってアタリが出ないようなら、探る場所を変えます。
ポイントの探り方の基本は?
  1. 沖でも手前でも体の正面に仕掛けがあるようにして、少しずつ手間に引いてくるようなイメージで広く探ればいいでしょう。自然と糸が張りますからアタリもよく出ます。扇状にくまなく探ってアタリのよく出るポイントを探して下さい。
コヅキ釣りのオモリの付け方は?
  1. サルカンを使ってもいいですが、直接結んだ方がシンプルでいいでしょう。道糸をチチワ結びにしてナス型オモリを取り付けます。短く取ったハリスの一方を同じくチチワ結びにして、道糸に結べば出来上がり。
すぐ鈎が呑み込まれてしまいます
  1. オモリが海底に着いてしばらくすると「ブルブルッ」というアタリが出ますね。実はこのとき合わせるようでしたら、ほとんど鈎を呑まれているはずです。鈎が呑まれると外すのに手こずりますから、数が出ません。神経を穂先、糸ふけ、手の平に集中して下さい。
  2. 「ブルブルッ」とくるまえにかすかなアタリの前兆があるはずです。このとき軽く手首を返して合わせると、呑み込まれないはずです。
  3. 喰いが悪い日は、このような合わせ方ではすっぽ抜けることもあります。こんな日はじっくり落ち着いて本アタリで合わせて下さい。いずれにせよ高感度な仕掛けを使うとアタリがよく出るはずです。特に道糸は細くすると効果があります。
  4. 鈎を外すのに馴れていない方は、鈎外しを用意しましょう。ハゼやキス釣りには便利です。鈎外しにも使いやすいものとそうでないものがありますので、店員さんのアドバイスを参考にして下さい。小さいものなら、ピンオンリールにはさみと一緒にぶら下げておくと使いやすいです。
シモリウキの操作がよく分かりません
  1. オモリが着底したら、図のような状態になるように仕掛けを引いて下さい。流れに逆らうと仕掛けがうまく操作できませんので、潮下側を釣るように釣り座を取って下さい。アタリは「ツツ」という感じでシモリウキが小さく引き込まれますので、見逃さないように…。

  1. ハゼはエサを呑み込んでも反転せず、じっと居食いをしている魚です。ですからぼんやりしていると気づかないことも多々あります。ウキ釣りではミャク釣りと違って、アタリはダイレクトに手に伝わりませんから、まめに仕掛けを引いて探ると同時に、居食いをしていないか確認しましょう。ウキ釣りというより、ウキを使ったミャク釣りだと考えた方が分かりやすいですね。
飛ばせるウキ釣り仕掛けはないのですか
  1. 笑魚考案のオリジナル仕掛けを、ご参考までにご紹介します。サヨリ仕掛けに近いものです。辛子ウキではなく環付の飛ばしウキを使うのがミソです。
  2. 道糸がスルスルですので、アタリは極小斜めウキ(グレ用ハリスウキでも可)の変化で取ります。辛子ウキを使った仕掛けより水深の変化に対応できますし、沖まで探れアタリもよく出るお勧め仕掛けです。ちょっと釣り慣れた人でないと難しいかも知れません。

ハリスの長さはどう考えたらいいでしょうか
  1. ミャク釣りの場合、ハリスは短いほどよくアタリが出ます。糸ふけが出にくいからです。反対に長くするほど食い込みがよくなります。
  2. 人によっては釣れるハゼに合わせるという人もいます。つまりデキハゼなら短く冬場のケタハゼ狙いなら20cm程度と長くするわけです。これはこれで合理的な考え方です。一般的には、思い切って短くしたほうが、アタリを取りやすいでしょう。
呑まれた鈎を外すコツを教えて下さい
  1. 鈎外しを使わないのでしたら、左右のエラブタの後ろから親指と人差し指を入れて下さい。
  2. ハゼの口が開きますから、ハリスを引っ張ります。チモトが見えるはずですから指で鈎を掴んで外します。チモトが見えないほど深く呑まれていたならペンチを使うか、仕掛けを切るしかありません。
  3. 仕掛けを切る場合は必ず、口から糸が何cmか見えるようにして糸を切って下さい。ピッタリに切ると、魚がまだ生きていると切り端の糸も呑み込んでしまい、糸が見えなくなります。鈎を呑まれたことに気づかず、そのまま調理したり猫にやったりすると大変です。
賢い保存の仕方は?
  1. いい日に当るとハゼはとてもたくさん釣れます。まだ気温の高い季節ですから、魚をうまく保存して美味しくいただきましょう。まず小型クーラーに大きめの氷を入れていって下さい。割った方がよく冷えます。
  2. 釣り場に着いたらバケツで海水を汲み、クーラーの中に適当に入れます。釣ったハゼはそのままクーラーに放り込みます。とても冷たい水になっていますから、一発で昇天します。いわゆる「氷締め」です。これならお刺身でも美味しく戴けますよ。
  3. 帰るときは、水を抜きクーラーを軽くします。水抜きフタを閉め忘れないようにね。
  4. アジやサヨリなど、小さな魚をたくさん釣るときには、とても賢いクーラーの使い方なので、ぜひ覚えて活用して下さい。グレのように体色の変化しやすい魚でも、これならとても綺麗に持ち帰れます。

読者に学ぶ江戸前のハゼ釣り

ハゼ釣りといえば関西より関東が本場。ということで東京在住の太公望さんよりハゼ釣りの極意を教わりました。ひと味違うハゼのツボ〜皆さんもお勉強しましょう。以下原文

エサが決め手じゃ!

たまには皆さんのお役に立たねば・・と「釣魚別攻略法」に蛇足ながら書き足したいと思います。長くなるけどカンベンしてね。

3歳から27年間の結論として、エサはブラックタイガー(以下BT)のむき身が1番です。喰いはゴカイの3段上をいくハッカイ、エサもちの良さではアオイソメが真っ青というスグレモノです。ツボのツボは氷水で締めておくことと、かける時ハリ先をほんの少し出しておくことですね。ハゼは数釣ってなんぼですから1回ごとにエサ取替えていてはダメなわけです。ハリは晩夏でも4号を使います。呑まれてはいけないので「ブルブル」の「ブ」遅くとも「ブル」で合わせます。

エサの大きさの基本は、小指の第一間接の半分くらいです。喰いが悪い時は多少大きめに、バシバシ喰っている時はハリ先にホントちょびっとでいいです。ハリ先を出す事を忘れずに!解凍したものは元の状態よりダレるので氷水で締めます。桜海老も喰いはいいのですが、もちが悪いのと、ハリにかける時にまず頭を取って、刺して…と手間がかかります。また1匹かけるので、桜海老の形状からしてもうまくかけるのに面倒くさいです。釜揚げ桜海老を使うメリットは1つ。釣っている時、ビールのいいつまみになる事です。これは見逃せないポイントです。

もっと数を伸ばしたければ、潮止まりの時にボタンエビのむき身に交換するのもいい方法ですね。これは氷水で締めてはいけません。もちはBTに劣りますが、喰いはさらに良くなります。ウジムシ、赤い毛糸を巻きつけニシン油で漬け込んだ疑似餌に始まり、果てはプチトマトの半身までありとあらゆる試行錯誤を繰り返した27年の結論です。ぜひやってみてください。

太公望流・超攻撃的ミャク釣り仕掛け
竿 竹ののべ竿(1700円くらい)2m程度
あるいは極短へら竿、二刀流(右長竿、左短竿)
道糸 0.8号/極小片テンビン
オモリ 1号〜4号まで頻繁に替える(風、潮の速さ、喰い、水深)
ハリス 0.6号(晩秋までこれ)長さ4cm(喰い悪いとき8cm、晩秋深いところなら16センチ)糸関係はすべてフロロが望ましい
ハリ 4号(晩秋は5号、深いところなら6号)、カエシは必ずつぶす